シルバーカーを押すおばあちゃんとの思い出
シルバーカーを押すともの凄くパワフルだった祖母
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シルバーカーを押すおばあちゃんを見ると今でも亡くなった主人の祖母を思い出します。
私は、物心つく前に祖父母を亡くしており祖父母との思い出がなく
結婚して初めておばあちゃんと呼べる相手に出会いました。
結婚して住んだ家が、主人の祖母の家に近くで主人の祖母が私の事を
何かと気に掛けてくれ腰が曲がった状態でシルバーカーを押してやって来てくれました。
うちに来る時には、いつも何かお土産を買って来てくれ主人の子供の頃の話しなどをしてくれました。
また近所のスーパーでバーゲンなどがあるとバーゲンで安かったからとお砂糖や醤油を買って来てくれ、
うちに来てシルバーカーの荷物を入れる所から出して届けてくれたりしていました。
お年寄りにとって、シルバーカーは歩くだけではなく、
買い物の荷物も入れる事が出来る便利なアイテムなんだとその時に感じました。
私は、主人の祖母ですが本当のおばあちゃんのような気がしておばあちゃんには何でも悩みを話す事が出来ました。
そのうちおばあちゃんと、毎日散歩をするようになりました。
おばあちゃんは、家の中では腰が曲がっておりあまり動き回る事が出来ませんでしたが、
シルバーカーを押すともの凄くパワフルになり、勢いよく歩いて行きます。
行動範囲が大きく広がるシルバーカー
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家の中で見るおばあちゃんと外でシルバーカーを押すおばあちゃんはまるで
別人のように外でシルバーカーを押しているおばあちゃんは元気でした。
家の中では思うように動けずストレスが溜まっており、外でシルバーカーを
押して歩く事でそのストレスを発散させていたのかもしれません。
その時に初めてお年寄りにとってシルバーカーが、こんなに役に立っている事に気付きました。
おばあちゃんと会うまでは、シルバーカーを押しているおばあちゃんを見ても何も感じませんでした。
しかし、足腰の悪いお年寄りにとってこのシルバーカーがある事で
行動範囲が大きく広がる事をおばあちゃんを通して感じました。
おばあちゃん自身も、シルバーカーを押しながら私はこのシルバーカーが
あるから外を歩く事が出来るんだという事をよく話してくれていました。
私は、毎日の散歩の時にシルバーカーを勢いよく押しもの凄いスピードで歩く、おばあちゃんに着いて行くのが大変でした。
でも、人生初のおばあちゃんとの毎日の散歩は今振り返っても夢のような時間でした。
おばあちゃんのこんな言い方は変ですが、おばあちゃんは本当に可愛くおばあちゃんの方が
シルバーカーを押して危ない状態なのに散歩をする時には
必ずおばあちゃんの方が私を気に掛けてくれ、車が通る側を歩いていました。
お年寄りの心理
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私が車側を歩くと言っても、おばあちゃんは私は足が丈夫だから車側で大丈夫なんだよと言っていました。
散歩をしながら、おばあちゃんと毎日いろいろな話をしました。
おばあちゃんは、相撲が大好きで相撲の話しもよくしてくれました。
お洒落だったおばあちゃんは、シルバーカーも2台持っており
普通の散歩には古いシルバーカーを使い、ちょっとお洒落な場所や買い物に行き時には、
新しいシルバーカーを使い場所に応じて使い分けていました。
そんなお年寄りの心理もおばあちゃんと出会って初めて分かりました。
お年寄りで足腰が弱った人にとってはシルバーカーが欠かせません。
そのため、おばあちゃんにとってはそのシルバーカーの使い分けは
服をよそいきと普段着と使い分けているようなものだったのかもしれません。
おばあちゃんは、その後寝たきりの状態になってしまい歩けなくなり亡くなりました。
私にとって主人の祖母は本当のおばあちゃんと同じで、
今でのシルバーカーを見るとおばあちゃんのシルバーカーを押す元気なおばあちゃんが思い出されます。