移乗に配慮した車椅子を選んだ話
壊れてしまった車椅子の買い替え
-
少し前のことですが、施設に入所している伯母の車椅子が壊れそうであるという話を聞きました。
以前も探してくれないかと頼まれた経験があったので、
その時から逆算するとちょっと早いなと思いつつも頼まれたからには
良いものを探してあげなければと思いました。
壊れそうな車椅子というのは一昨年くらいに購入したものだったのですが、
椅子の部分が割れてしまっているそうなのです。
実はその車椅子を購入する前に使用していたものもその部分が割れてしまって
買い替えたものだったので、もしかして乗り方が悪いのかなと思いました。
と、いうのも伯母の場合、車から降りたり椅子などから立ち上がったりして
車椅子まで移動すると、後ろに座れる場所があるという安心感からかドシンと腰を下ろすのです。
足腰が弱っているので中腰のような体勢になれないのかもしれませんが、
その衝撃によってどうしてもお尻の部分がだめになってしまうのですね。
そこで今度は丈夫なもののほうが良いのかなと思い探してみたのですが、
やはり丈夫なものといえばスチール製が浮かびます。
スチールのものも悪くはないのですが、やはり気になるのがその重さでした。
肘の部分が跳ね上げ式になっているというものを発見
-
いままではアルミ製のものを使っていたのですが、スチール製のものはその倍近く重くなるのです。
非常に丈夫だという話もあるのでその点に関しては魅力的ですが、
車への積み込みのことを考えると重いのはどうかと考えてしまいます。
積み下ろしの機会はそう多くはありません。しかし病院に連れて行くときなどには
乗せることもありますし、普段伯母の面倒を主に見ているもう一人の伯母ももう歳なため、
重いものを持ち上げるのは難しいでしょう。そのためスチール製は諦め、
アルミ製のものでなるべく丈夫そうなものを選ぶことにしました。
しかし同じようなものを購入するのは少し芸がないと思ったので、
より便利に使えそうなものはないかと探してみることにしました。
すると肘の部分が跳ね上げ式になっているというものを発見したのです。
肘の部分が持ち上がるということは、つまりお尻を横にスライドさせることができるようになります。
これは車の乗り降りや椅子への移動に重宝するのではないかと思いました。
その機能がついているものをいくつかピックアップし、
それ以外にもハンドル部分が折り曲げられるなど
コンパクトになるかどうかという点も重視しました。
そしてお尻の部分を少しでも丈夫にしようと思い、車いす用のクッションも同時に購入しました。
介助する人間も同じくらい楽になるものを選びたい
-
後日届いたものを早速施設へ持っていき伯母に乗ってもらいました。
なかなか快適そうでまずは一安心です。そして早速肘の跳ね上げ機能を
使ってみるとこれがまた便利で素晴らしいなと感じてしまいました。
伯母も移動しやすそうで満足げです。横にスライドするだけで移動できるため、
ファミレスなどで車椅子から椅子に移動して食事をしたいという場合にもきっと重宝するでしょう。
ドスンと座る頻度も減るので、車椅子が長持ちするかもしれません。
しかし便利さを感じると同時に、この肘が上がる機能は車高が低めの車ではなければ
あまり意味を成さないかもしれないとも思いました。
車椅子より移る側が高いと結局しっかり立ち上がらなければならなくなるため、
横向きに移動する意味がなくなってしまうのです。
そのため車のサイズによってはもっと別の機能が付いているものを選んだほうが良いかもしれません。
車椅子というのは乗っている本人のことを考えるのは当然ですが、
介助する人間も同じくらい楽になるものを選ぶのが良いと考えています。
幸い最近のものは両者に配慮されているものが増えているため、
これからもますます便利に使うことが出来るようになるのだろうなと期待しています。