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超高齢の母は車椅子の利用で行動的に

歩行がたどたどしくなった90代の母

手すりにつかまる女性
私の母は90歳を前に軽い脳梗塞で倒れ、歩行がたどたどしくなりました。
歩行訓練で戸外では押し車、室内では杖で歩行ができるように 訓練してもらうべく、介護老人保健施設に入所していました。 訓練の甲斐あって、自宅に戻る日取りを施設と調整している頃に、 急病で施設から病院に運ばれ、急遽入院する事になりました。
2か月の入院後、無事退院はできましたが、 せっかく訓練してもらったものが、元に戻ってしまい、 それ以前よりもむしろ歩行が困難になってしまいました。 再び介護老人保健施設に受け入れてもらい、歩行訓練をしてもらいました。
しかし、病院に入院して弱った歩行機能は中々回復せず、 年齢も93歳となり、古い家でバリアフリー化の困難な 自宅へ戻る事は困難かもと思い始めました。
当時は要介護3でしたが、施設内ではヘルパーさんが 急いでいる時以外は車椅子を利用せず、 可能な限り伝い歩きなどで、足腰の訓練に勤めていました。

押し車や杖での歩行が困難に。

車椅子で微笑む女性
こうして半年ほど経過して、施設でのミーティングがあった時、 理学療法士さんから、押し車や杖での歩行が 完全にできる状態に戻るのは非常に難しい状態だと伝えられました。 無理をすれば可能でも、転倒の危険が大きく、 また自分の思う様に行動できない事が、 最近ではストレスになっているようだとの話がありました。 バリアフリー化できない自宅へ戻る事は絶望的になりました。
介護老人保健施設との話し合いの結果、車椅子で自由に行動できるようにした方が、 精神的ストレスも少なくなり、残された人生を 少しでも明るく生きて行けるのではと言う結論になりました。
それからは、日常的に車椅子を移動に使い、 ベッドと車椅子間を安全に移る動作、車椅子でトイレに向かい、 介助を受けながら用を足す訓練などをしてもらいました。
自分の思い通りに移動できるようになり、 以前よりも明るく、行動的になって行きました。

無理をせずに車椅子に

孫のイメージ
人間は自分で歩く事が出来るのがもちろんベストでしょうが、 自分の足でなくても、自由に移動できる事がベターなのだと痛感しました。
面会に行くと、私達を見つけた母は、狭い食堂のテーブルの間を 上手に車椅子を操作して縫うようにして、やって来るようになりました。 車椅子を自由に操れる姿には驚かされました。 また、時々我が家に遊びに来る私達の7歳と5歳の孫を施設に連れて行くと、 孫達は交代で車椅子を押しながら、母と話しを交わしたりしてくれます。
幼い子供と会話する事は、高齢の母にとっては、良い刺激であり、笑みがこぼれる光景です。 お世話になっている介護老人保健施設は、自宅復帰に向けた訓練施設で、 現状維持するのがやっとの状態の母は、ここを終の棲家とする事はできません。
介護度も4になってしまい、特別養護老人ホームに移るべく、 施設の見学をさせてもらい、申し込みの準備を進めていますが、 車椅子で自由に移動できる事を前提に、介護老人保健施設よりも終の棲家として 少しでも楽しみの多い所を探してやろうと考えています。

大切なのは体の状態を見ながら道具を選ぶこと

車椅子の画像
沢山の特別養護老人ホームを見学させてもらっている中で、現在母が使っている 標準型の車椅子以外にも様々な種類の車椅子があるという知識も得る事ができました。
母の身体の状況を見ながら、最適な車椅子の種類で、 少しでも自由な生活を楽しめる様にしてやりたいと思っています。
自宅復帰を考えて、困難な歩行訓練を続けるのを諦めた事は、 母が自宅に戻りたいと思う気持ちには反しますが、一方でそれに拘って、 今を生きる事に自由や楽しみが無い事も課題です。 残された人生を、少しでも自由に意のままに車椅子で動き回り、 寝たきりになる事を防げれば、むしろ特別養護老人ホーム暮らしになっても、 それが母にとっては幸せだろうと思っています。
特別養護老人ホームは、待機者が多く、いつ入所できるか分かりませんが、 新たな施設で、車椅子を操り、また訪れた私達を元気に向かえてくれる事を望んでいます。
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