車椅子の友人と一緒に歩いて気づいたこと。
車椅子で電車のホーム
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私には車椅子でいつも生活している友人がいます。
その子にあったのは4年程前で、ある施設で1年間ほど一緒に過ごし、
今でも時々お茶を飲んだりして近況報告している仲です。
その子、ここではA君と呼ぶことにしますが、
A君と仲良くなったきっかけは帰りの電車が同じ方向で帰るタイミングが一緒だったからです。
私は以前家族が車椅子を一時的に使っていたことがあったので、
車椅子の生活はなんとなく想像はできていたのですが、
A君と一緒に帰ることで初めて知ったことがたくさんありました。
まず、電車のホームに行くまでに、当然ですが
エレベーターに乗らないと改札までたどり着けません。
そのエレベーターを探すのがまず大変。いつも通勤している駅なら
ともかく初めて行く駅だとなかなかたどり着けません。
電車とホームの間の溝
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そしてホームにたどり着いても駅員さんに電車に乗る際に
電車とホームの間の溝を乗り越える為に専用の板を
かけてもらわないといけないので、決まった車両ナンバーの前で待ち、
どこの駅で降りるかを駅員さんに事前に伝えないといけないのです。
これは車椅子を使っている方には当たり前のことなのでしょうが、
私は横でいつもその光景をみていて「途中で別の駅で降りて
寄り道したくなったらどうするんだろう?」と思ってしまいました。
電車から降りる時も駅員さんの補助が必要なので、
乗った車両から隣の車両に移動することなどは
基本的にしてはいけないのだと思います。
なぜなら降車駅の駅員さんは何時何分発の電車の
どの車両に車椅子の人が乗っているか無線か何かで連絡を受けて、
準備をしているからです。どの駅員さんも親切で顔見知りになったりすると、
挨拶をしてくれたりする方もいてそれはそれで楽しい時もあるのですが、
好きな時に好きな駅に降りれないのは横で見ていてもっと改善できないのか、
例えば「車椅子の方が、一人で乗り降りできるホームの
構造を作ることはできないのかな」と考えてしまいます。
車椅子だとさせない傘
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A君と一緒に電車に乗っていて他に感じたことは、車椅子の方が
約束の時間に間に合うように行動するのはとても努力がいることだと感じました。
先ほどの電車の話にもつながりますが、車内自体が混みすぎていると
いくら駅員さんが補助をしてくれても、電車自体に車椅子が乗れるスペースがない、
または、あっても周りの乗客の目が気になって、通勤の時は通勤ラッシュを
さけて電車に乗るため相当早起きをしなければならないようです。
また、天気が悪い日、私たちは傘をさせばいいだけですが、車椅子だと傘をさせません。
なぜなら両手をつかって車椅子を動かしているからです。
これも、「何をそんな当たり前のこと、考えればわかるじゃないか?」
と思う方もいるのでしょうが、台風や雪の日は車椅子で進むのは危険なことがあります。
車椅子に傘を固定する便利グッズもあると思うのですが私が知っている
車椅子の方は、ほとんどかっぱか水をはじく素材の服を着て、対処していました。
車椅子の方と横に並んで歩けるような街つくり
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傘を使っているとわからないと思いますが、小雨でもずっとあたっていると
体は確実に冷えていきます。震えながら車椅子を動かしている友人を見ると、
「雨の日でも濡れずに目的地までたどり着ける地図アプリ」など、
車椅子を使っている人、そうでない人両方のメリットになるようなサービスが増えたら、
雨の日でも雪の日でも、私の友人だけが大変な様子を横でやきもきしながら見ずに
もっと楽しく話せて一緒に歩けるのではないかと思います。
車椅子の方は動いている時は基本的に両手がふさがってしまいます。
こんな当たり前のことでも一緒にA君と歩いてみるまで私は気づけませんでした。
今まで改善してほしい点ばかり書いてしまいましたが、
「車椅子ってかっこいいんだな」と感じる瞬間もたくさんあります。
また彼と歩くと、自分が普段速く歩きすぎて気づけなかったことに気づけることもたくさんあります。
私はもっと車椅子の方と横に並んで歩けるような街つくりや、システムが増えていくことを望むばかりです。