体に合わない車椅子
車椅子がおばあちゃんの体に合っていないと言われて
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日常的に健康な人って車椅子に接する機会があまりないと思います。
介護の現場で働いてる人も、車椅子を操作することはあっても、
実際に自分が乗ったりすることがほとんどないように思います。
もちろん、私もそんな一人でした。
しかし自分の祖母が年をとっていくにつれ、どんどん
体が弱くなり、歩くことが難しくなってきました。
最近では寝ていることがほとんど、元気もありませんでした。
そうなると、何をするにも気力がなくなってしまい、
ごはんの量が少なくなったり、お風呂にも入るのが嫌になったりと、
どんどん状態は悪くなるばかりでした。
そんなおばあちゃんも、もちろん車椅子は使っていました。
デイサービスに行くときや、病院へ受診をするときに必要だということで、
福祉用具からレンタルしていたのです。
ただ私は『移動の時におばあちゃんが歩けないから使っている。』そんな認識でした。
ある日、おばあちゃんが利用しているデイサービスの職員の方から、
「使っている車椅子がおばあちゃんの体に合っていないんじゃないか」と言われました。
デイサービスなどを利用すると、施設にいる間は
よほどの体調不良がない限りは起きて過ごすことになっています。
車椅子を変えてみるみる元気になったおばあちゃん
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それは生活感をもってもらえるようになのですが、
歩けない人というのは、車椅子に座って1日過ごすことが多いのです。
その車椅子が合っていないんじゃないか、と言われたのでした。
私は当時今よりも車椅子を軽んじて考えていたため、
車椅子の違いでそんなに変わることはないんじゃないのかと半信半疑でした。
しかし、お世話になっているデイサービスの職員の方がおっしゃるので、
半信半疑ながら車椅子を交換することにしたのです。
するとどうでしょう。おばあちゃんは外に出ることをだんだん嫌がらなくなり、
食事の量も少しずつ増え、お風呂も拒否することが少なくなってきました。
そして何よりも、表情が明るくなってきたことが一番の驚きでした。
車椅子を変えただけでそんなに変わるのか?そう思った私は、
車椅子について興味を持ち、自分なりに調べてみることにしてみました。
立てない、歩けない人がベットで寝る以外に過ごす場所って、
車椅子が多いと思います。ここで自分なりに想像したことは、
座ることが多い人が、その座る姿勢が
苦痛だとしたらどうだろう、ということです。
例えば、人は各々体のサイズが違います。
そして、体の状態、自分でなんとか体を動かして体勢を正せる人、
それすらもできない人、車椅子を利用する人も様々です。
様々な利用者に合わせられる車椅子の種類
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なので、車椅子の幅が合っているのかどうか、
歩けなくても自分で車椅子を漕いで移動したい人、
介助する人が介助しやすいような車椅子…
こう考えるだけで車椅子に求められることって実は非常に多いんじゃないかと思いました。
調べてみると、車椅子ってほんとに種類が多いことに気が付きました。
自走式の車椅子、介助式の車椅子、座面に敷くクッションまであったり、
タイヤもパンクしないものまでありとても驚きました。
寝たきりの人が横の姿勢になれるリクライニング式まであるんですね。
ちなみに私のおばあちゃんが車椅子を交換して、これが改善されたのではと思うのは、
やはり座っているときの姿勢が楽になった、ということだと思います。
確かに以前使用していた車椅子は、幅が合ってなかったように思いますし、
座るところも堅かったような気がします。
それが改善され、食事の量も増え、表情も明るくなり、
生活感をだいぶ取り戻したと思います。
もうおばあちゃんが歩くことは難しいと思います。
これからだんだんと体も弱くなり、活動量も減っていくかもしれません。
だけど、残された人生の時間、できるだけ楽しく生活をしてほしい。
その本人や家族の願いをかなえるために、車椅子が果たす役割はとても重要だと思います。